誕生日や記念日、クリスマスの時にパートナーへ贈るプレゼントとしてだけでなく、就職祝いや昇進祝いなどでも選ばれることの多い人気のアイテムがネクタイです。様々な記事を読んでいると、特に女性から男性へネクタイをプレゼントする際に「その意味について注意しなければならない」といった内容を目にしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。今回のブログでは「ネクタイをプレゼントすることは素敵なことだ」という理由と根拠を説明させていただきます。
まず、冒頭でも触れましたが、ネクタイをプレゼントすることは、とても素敵なことです。
このブログではネクタイのプロが、その意味と理由にについて説明をしていきます。
ネクタイをプレゼントしても良いのか悩んで、ネットで検索してみると、女性から男性に対してのネクタイのプレゼントの意味としてよく聞くのは、「あなたに首ったけ」「束縛したい」といったことです。おそらく、《ネクタイ=首に巻くもの》ということから、そういったイメージが付いたのでしょう。はじめてネクタイを選ぼうと考えている方が、こういった記事だけを切り取って知ってしまうと良くないイメージを持ってしまっても仕方ありません。ですが、実はそんなことはないんです。
ネクタイの発祥に関しては諸説ありますが、一番濃厚な説としては、約400年前に、戦地に向かう家族の無事を祈って首に巻いたスカーフが起源とされています。それが、時代と共に形を変えながらスーツに合わせるアクセサリーとなったんです。当時はいわゆる「お守り」のようなものだったのかもしれません。そこにある根本的なものは「大切な人のことを想う気持ち」です。
そして前提として〈プレゼント〉とは、【大切な人を想う】からこそするものであり、相手にマイナスのイメージを与えるようなものではありません。確かに、もし花束を貰う機会があって、その花の種類が「菊の花」だったら、直接的に葬儀のイメージを連想する方も多く、よろしくない場合もあるかもしれませんが、ネクタイを貰った男性が、『あ、この人、俺の事を束縛したいと思ってるな』とか、『俺に首ったけなんだな。ムフフ。』と思うことはまずありません。特に、よくネクタイをつける人へは、ネクタイのプレゼントは喜ばれるプレゼントのひとつです。
そして、男性のネクタイ選びは、比較的偏った傾向があり、例えば、定番の紺色しか持ってない人や、同じ柄しか持っていない人も少なくありません。ワンパターンになってしまう男性のネクタイ選びに女性の感性を取り入れて、新しいレパートリーを増やしてあげるような気持ちでプレゼントすることは、むしろオススメです。
私がお話したお客様の中に、『いつも紺色ストライプのネクタイしかしない』方がいらっしゃいました。
ですが、部署移動の際に〈ワイン色のネクタイ〉をプレゼントとして受け取ってから、いろんな色のネクタイに挑戦できるようになったと言われているお客様もおられます。結果的に、ネクタイを贈る意味について、ネガティブに考える必要はなく、むしろポジティブに考えていただいた大丈夫です。もちろん、相手の方のお仕事や立場、環境や印象に配慮する必要はありますが、意味の部分で引っかかることは全くないと私は考えています。
特に、以前に比べてネクタイを結ぶ機会が少ない社会になってきました。そうなると、意外と〈ここぞ〉という時に結ぶネクタイを持っていない男性もいらっしゃいます。※そういった方の相談を何度も受けてきました。だからこそ、是非自信を持ってネクタイをプレゼントしてあげてください。もし不安な時は、LINE等でご相談をいただければ、お堪えさせていただきます。アナタが一生懸命選んだネクタイです。きっと喜んでいただけると思いますよ。
ネクタイ選びの参考になる3つのポイントをお伝えしていきます。最も大切なのは、相手のことを想像しながら選んで差し上げることです。
その上で、どんなことを気にしながら選んでいけばよいのか?を、3つ絞ってお伝えいたします。
ネクタイをプレゼントする場合の平均相場は約5,000円~20,000円と言われています。
贈る相手の年齢や目的に合わせることも大切かと思いますが、その中でオススメの価格帯はズバリ¥10000+税の価格帯です。理由としては、プレゼントに選ぶ一般的なネクタイの価格相場であるということに加え、バリエーションの豊富さにあります。そして、この価格帯にくると、素材として使われているのは概ねシルク(絹)を使っていますので、その光沢感やしなやかな結び心地は貰った相手にも伝わることでしょう。
まず色が与える2つの影響を知ろう
色には様々な効果があります。今回ネクタイ選びをしていく中で知っておいてほしいのは、”内的な影響”と”外的な影響”です
・内的な影響とは?
これは”自分”に与える影響だと思ってください。例えば自分のテーマカラーは”これだ”と決めて、ルーティーンにすることで、自分自身の気持ちを落ち着けていくこともできます。これは継続していくことによって”〇〇さんといえば〇色”といったようなば、あなたを認識しやすくするツールになったりもします。普段からテーマカラーを決めておくことで「今日は緊張するプレゼンだから気持ちのスイッチを変えていこう!」と思った時に、いつもと違う色をファッションに足すだけで、自分気持ちを切り替えて集中できるようにもなります。
・外的な影響とは?
そして外的影響とは、自分だけでなく”相手”に対して与える影響に関わることです。色というのは、その人の印象も決めてしまいます。実際に”リラックスさせる色”や”力強さを見せる色”などで、相手に与えるイメージを変えていくkoとができます。例えば、「A”熱い”」と「B”熱い”」なら、どちらが熱さが伝わりますか?多くの方が「B”熱い”」を選ばれるのではないでしょうか。
場面によって色を使い分けていくことで、自分だけでなく相手に与える印象を変えられます。少しの変化が成果を変えていくことにも繋がるということも知っておいてもらえるとネクタイ選びの役に立つと思います。
さらにここからは具体的にそれぞれの色が”自分”や”他人”にどんな印象を与えるのか?ということについてご説明をさせていただきます。目的別や印象チェンジ、また自分に足りない印象を補填していく色としての参考にしていきましょう。
赤色は、”力強さ”情熱的”感情的”な色で、強いエネルギーを感じる色です。
ネクタイにおける赤の使い方は、色の濃淡によって大きく変わります。例えば、鮮やかな赤色であれば冒頭で書いたようにエネルギーを強く感じますが、色味が深くなっていくと、”温和”やさしさ”などの印象も増していきます。ベーシックなスーツスタイルに合わせていくには、深めのワイン色を使っていくと柔らかな印象になりやすくて良いですが、ここぞという時には鮮やかな赤を使っていくように工夫すると良いでしょう。
黄色は、”明るい”健康的”といった印象を感じさせる色になります。
幸福度の高く希望を見せる色ともいわれていています。また、黄色は”理解力”や”記憶力”を促進する効果もあって、内的にも外的にも様々な効果を発揮する色です。
緑色は、”自然”調和”安らぎ”を感じさせる色になります。
自然にもある色なので馴染みやすく、自分も相手も包み込むような優しさを感じる、感じさせることができ”リラックス効果”があったりもします。色を明るくしていくことで、爽やかな印象を加えていくことができるので、自分の好きな色味で緑を取り入れていくのも良いでしょう。
青色は”爽やか”清潔”冷静”を感じさせる色です。
様々なスーツやシャツの色がありますが、多くのスーツが青系(ネイビー)をベースに構成されていることが多く、同色系でまとまりのあるコーディネートができるて、最も取り入れやすい色だといっても過言ではないでしょう。ビジネスシーンによって”爽やかさ”を出したいときは明るめの青系、スタイルを引き締めて誠実な印象を持たせたい場合は紺色を使っていくなどの選択をしていくとよいでしょう。
ピンク色は”幸せ”優しさ”思いやり”を感じさせる色です。
女性的な色の認識を持たれるかたも多いかと思いますが、それにより他の色に比べてもそれと同時に、女性らしいイメージを与えやすい色でもあります。ですので、柔らかく優しい印象を作りたい時や、初対面の方に安心感を与える色としても選ぶのも良いのではないでしょうか。
グレーは”上品さ”落ち着き”威厳”を感じるような色です。
彩度が低く、控えめな印象もありますが全体のスタイルを引き締めて、落ち着きを見せることもできます。主張を押さえて周りに馴染む印象を付けたいときに選択してみるのもいいでしょう。
茶色は”大らかさ”落ち着き”大人びた”印象を与える色になります。
大地の色とも言われる色で、どっしりとした落ち着いたイメージを付けていくこともできます。若い方が選ぶことで、若々しさを消して大人びた雰囲気に見せることもできますし、全体のまとまりを出しやすい色です。
その他にも様々な色があります。
代表的な色をいくつか紹介させていただきます。
白→純粋で清潔なイメージ
黒→クールなイメージ
紫→神秘的なイメージ
金→高級感のあるイメージ
銀→洗練イメージ
※豆知識
サイズは冒険しない方が良いです。スーツのラペル幅(襟の幅)とネクタイの幅を合わせるのがバランスが良いと言われていますが、その中で定番サイズといえば大剣幅8cm~8.5cm程度です。細めが流行っているのでは?と聞かれることもありますが、細すぎる威厳がなくなり軽いイメージになってしましますし、太すぎると野暮ったい感じになってしまいます。そういった面で選ぶサイズとしても8~8.5くらいが良いでしょう。また、ネクタイのストライプにはあまり知られていない意味があります。国際的にで活躍されている人へのプレゼントや、海外の人との交流をされる機会がある男性へのプレゼントは、ストライプのネクタイを避けた方が良い理由があります。※コチラの記事を参考にしてみてください。
せっかくのプレゼント。最終的に悩むのはブランドです。ネクタイを専門としているブランドから、総合的なブランドの中のネクタイまでいる様々なネクタイがあり、それぞれに特徴や傾向があります。その中で自信を持ってオススメできるブランドをいくつか紹介させていただきます。
1:SHAKUNONE(シャクノネ)
プロのネクタイ職人が届けるJAPANMADEのネクタイブランドSHAKUNONE(シャクノネ)。トレンドだけではなく、男性のスーツスタイルを魅力的に演出する本質的なデザインと高級感のあるディティールの仕立てが特徴なブランド。生産産数が少ない希少性から、店舗展開は少なくオンラインショップの展開が多いですが、こだわりのプレゼントにネクタイを選びたい方には知っておいてほしいブランドです。オンラインショップはこちら
2:FrancoSpada(フランコスパダ)
国内の老舗メーカーが永島服飾株式会社が展開をするブランドFrancoSpada(フランコスパダ)。百貨店などの展開も多くデザインも多彩。近くの店舗に足を運んでみてその質を確認してみましょう
3:FAIRFAX(フェアファックス)
アメリカントラッドをコンセプトにしたJAPANBRANDの先駆けがFAIRFAX(フェアファックス)。ネクタイや周辺小物までトータル的に揃うのも魅力。百貨店での展開などもされているので、一度見てみてほしいブランドです。
4:PaulSmith(ポールスミス)
知名度抜群で、特徴的なマルチ柄や独創的なプリントデザインなども魅力的なPaulSmith(ポールスミス)。個性的なネクタイスタイルを目指す男性には必見のブランドです。ネクタイだけではなく、財布やバッグなども人気で、ショップでの買い物が楽しめるブランドです。
5:BURBERRY(バーバリー)
こちらも誰もが知っているブランド。いつの時代にも変わらない魅力を発信するブランドBURBERRY(バーバリー)。安定の認知度とデザイン性は安心感さえ感じます。
6:RALPHLOREN(ラルフローレン)
総合的なファッションブランドと知られているブランドですが、発祥がネクタイ専門ブランドだったということを知っている人は意外と少ないラルフローレン。使いやすく多彩なデザインは幅広いスタイルで合わせることができ、おしゃれを演出します。
7:ユナイテッドアローズ
有名セレクトショップのユナイテッドアローズ。ベーシックからクラシックまで幅広くスタイリングができることと、店舗に行った時のワクワク感はたまらない。
8:BEAMS F
誰もが知っているBEAMSの中で、フォーマルウエアに特化しているビームスF。トレンドを押さえたクリエイティブと、安定的なクリエイティブを両立するネクタイを届けています。
9:シップス
決して派手ではない。落ち着いたコレクションが多いイメージのシップス。スーツやシャツに合わせやすいネクタイが多く、安定感安心感に定評のあるブランド。
10:トゥモローランド
個性的なデザインも多く、コアなファンが多いトゥモローランド。ビジネススタイルにアクセントを加えたい、大人スタイルが最大の魅力です。
せっかくネクタイをプレゼントするわけですから、長く大切に使ってほしいですよね。だからこそ伝えてほしいことがあります。
普段ネクタイを使っている人の中でも知らない人も多いのですが、強い摩擦はネクタイのキズや毛羽立ちの原因なります。特に注意してほしいのはシートベルトです。気にしていないと、車に乗ってそのままシートベルトをしてしまいます。これはやめてください。硬いシートベルトと繊細なシルク生地の相性は良くないです。車の振動などで知らず知らずのうちに擦れてしまっています。だから、車に乗るときは必ず『ベルトの上にネクタイを出すこと』を忘れないでください。ちなみに、比較のためにジャケットを着たままの写真で説明をしていますが、本来はジャケットを脱いだほうがいいです。
これは大切に作ったものは少しでも長く使ってほしいという、職人からのお願いです。知らない方も多いので、ぜひお渡しになられる際に伝えて差し上げてください。
ネクタイができるまでの動画をご覧ください。
→https://youtu.be/ZuPhdhOGMVA
いかがでしょうか?難しい部分もあるかもしれませんが、基本的にはシンプルに考えればよいと思います。
ご自身の特別な一本を選びたい方や、大切な人を想って選びたい方は参考にしていただき、喜んでいただけるネクタイ選びをしてみてください。
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ネクタイのストライプの方向を気にしたことはありますか?
気にしてないよって人も多いかと思いますが、実はストライプには方向があります。私たちもネクタイを仕立てたり、お客様からのご相談や質問を受けている中で、「右上がりと左上がりがあるんだけど、なにか意味があるの?」と聞かれることが少なくありません。このブログでは、このネクタイの方向についてと、実は注意しておいた方がいい着用のポイントについて書いていきます。
一般的には”ストライプ”と呼ばれることがおおいですが、日本では右上がりのものも、左上がりのものもひとまとめに「レジメンタル」と呼ぶことがあります。意味として通じるのであれば問題ありませんが、実はそこには理由があります。
市場にあるストライプのネクタイの主流は右肩上がりのものです。その起源は16世紀。イギリスの軍が、それぞれの連隊(レジメント)ごとに、色やデザインの違うストライプ柄を作り、所属を示す証として使用したと言われています。それがレジメンタルタイの語源だと言われています。そのため、左上がりのストライプはレジメンタルタイではないというのが正確なところのようです。
知らない人も多いのですが、実はネクタイのストライプは、右上がりがヨーロッパ式で、左上がりがアメリカ式です。視覚的に「右上がが美しい」と言われていて、こだわって選ぶ人もいますが。とはいえ、左あがりが悪いわけではありません。ちなみに、発祥がヨーロッパだったこともあり、ネクタイのストライプは右あがりが主流ですが、その中で左上がりが誕生した理由には「結び目が右あがりに見えるようにするため」「メーカーが独自性を出すため反対にした」「鏡に映った姿を想定して作成」など諸説あります。
ビジネスで海外に行くときは、ストライプのネクタイはしない方が無難です。理由は、ヨーロッパで(イギリス)でストライプのネクタイは、色やデザインによって所属するクラブ、学校、団体を表す文化があるからです。実際、各国のリーダーがあつまる場面では、無地やコモン柄を選んでいることが多いです。ごく稀にあることだそうなのですが、ストライプのネクタイをして海外出張をした際に、「君、〇〇大学の〇〇部卒か?」と声をかけられるようなこともあるそうです。そんな中で、歴代の総理大臣がアメリカに行ったときにストライプのネクタイをしている写真を見ることもあります。必ずではないのですが、アメリカ式の左上がりを着用している写真を見たこともあります。もしかしたら、アメリカ訪問に合わせて選ばれているのかもしれませんが、前述をしたように各国のリーダーが集まるような場所では控えた方が無難でしょう。
普段気にしてないようなことも、深堀してみると何かしらの意味や理由があるものです。とはいえ、絶対的なルールで、知らないことや、守っていないことがマナー違反になったりするような話ではありません。基本的には自由です。ただ、変化していく文化の中で、ものごとの成り立ちや歴史を知っておくことが、今後何かの役に立つこともあると思います。
2021年10月14日~11月25日まで、クラウドファンディングに挑戦しています。小さな縫製工場から日本一のブランドをつくること。誰になんと言われたって、僕たちにとってブレない夢の1つで、大切な約束です。精いっぱいの想いを込めて挑戦をしておりますので、僕たちの想いを知っていただき、応援をよろしくお願いします。
※詳細はコチラ→https://camp-fire.jp/projects/view/59492
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ネクタイのデザインや色味、また選び方や結び方について様々な記事がありますが、
作り方や構造について書かれているものは多くはありません。
そもそもネクタイに芯が入っていることを知らない方もいらっしゃるのではないかと思いますので、その意味と効果について書かせて頂こうと思います。
ネクタイは結んだり解いたりを何度も繰り返すモノです。
そのため、型崩れしないように、内部には芯地を入れているものがほとんどです。
中には《セッテピエゲ》という表地をたっぷり使って芯を用いない製法もありますが、どちらかというとスーツスタイル上級者向けとのものになります。
そのため、ベターにネクタイを選ぶ場合に出会うネクタイとしては芯地の入ったモノが多いことでしょう。
『ただ当り前に入っているもの』と侮るなかれ。芯には重要な役割がありますので、紹介させていただきます。
①型崩れ防止
既に説明をしていますが、まずこれが前提です。
ネクタイは「結ぶ」ということが前提に作られるアイテムです。
普通に使っていても、結び目には思いのほか負荷がかかってしまいます。
そして用いられる生地はシルク素材が多く、一般的なシルク生地は繊維が細く生地だけでは非常に薄いモノになっています。
なので、芯を入れることでキチっとした形が持続するように芯地が入っています。
②風合いの調整
芯によって同じ生地でも仕上がりの差が大きく出ることを知っておいていただきたいです。
例えば、薄い生地に薄い芯を使用した場合、結果的にペラペラの商品に仕上がります。
逆に、厚手の生地に起毛のかかった厚手の芯を使用した場合、ゴワゴワした商品に仕上がります。
もちろん、そういったものが良いと意図的に作り込む場合は問題ありませんが、一般的にはバランスが良くありません。
実際には、厚手の生地には薄目の芯、薄手の生地には厚手の芯と、特性を捉えバランスが取れる組み合わせをチョイスするといった、工夫が施されています。
@そして、豆知識ですが、シンプルに作られているように見えるネクタイですが、実は立体構造になっていてとても手間がかかるものなんです。芯においても、ただ入っているわけではなく、生地と芯が密着するように縫い付けてあったり、伸縮性を持たせるようにループを仕込んだりと、手間をかけて作っています。
アナタがネクタイを手に取る機会があるなら、芯がはいっているか?どんなものが用いられているか?といったところも見ながら選んでみてください。
SHAKUNONEのネクタイの生地を選び、配色をし、織りあげてお仕立てするまでに、3つのテーマがあります。
これは私が生まれた国、日本。
育ってきた環境。
支えてくださった皆様が居て構築されたモノです。
奥ゆかしい、謙虚、日本人は海外と比べてもこのような言葉が似合います。
さらにはネクタイは決して主役にはならない。身に着けてくださる方の魅力を引き立てる素敵な共演者であると位置づけています。
ですので、総じて派手なデザインはありません。
決して主張しすぎず、しかし、身に纏う人の中心で共演するモノです。
その為に色使いが多少の及ばず、シンプルなデザインとシンプルな配色でお仕立てしています。
時計、財布、鞄、ベルトetc・・・
男性の身に着けるモノとして、唯一体の中心、そして印象を決めるVゾーンを彩るのがネクタイです。
身に纏う人の品格を引き立て演出する為にも、ディティールや素材にこだわりを持っています。
素材は、国内でも有名な富士吉田地方のシルク織り。京都丹後地方のシルク織りを使用しています。
人肌に一番近いと言われ、美しさを放つ光沢をもった美しい天然繊維を使用しています。
仕立ても「身に着ける方の姿」を想像しながら、一本一本お仕立てを致します。
柔らかなお仕立てで、身に着ける方自身の気持ちよさ、他覚的に観た時の風合いのある男性を演出できるよう、醸し出される品格を細やかなディティール感で演出しています。
一つのモノが出来上がるまでには、必ず「ヒト」が関わっています。
織り成すヒト。
お仕立てするヒト。
身に着けるヒト。
たくさんのヒトが関わって、ヒトはモノを使います。
そのヒトそれぞれに歴史があり、想いがあり、願いがあります。それをフィルターを通さず、直線的に繋げることが、私たちのミッションです。
多くのヒトが紡いで繋いできたモノガタリを伝えたい。
そんな想いで、今まで構築してきた技術を大切にし育てていきます。
独りよがりで自己満足なモノではなく、成長する技術。そして後世に伝える技術として育んでいます。
そして製品に影響を大きく及ぼし、その人の印象を大きく左右する「色使い」。
見えている色は同じかもしれません。
しかし感じている色は十人十色。
私たちが生まれた国、育った環境、見てきた景色。それを育んだ世界観と歴史。
そんな色使いをテーマにし、「和色」を使用しています。
レッド=赤。 ブルー=青。 グリーン=緑。
といったような、平面的なものではなく、和の色の表現に着目し、
天色。金茶。濃藍。萌葱色。葡萄。などの、日本人独特の色彩感覚、色表現をコンセプトにしています。
日本国内でのネクタイへの価値観は、ひと昔前からは変わり、
当たり前だったからこそ軽薄になってしまっていたコトもあるのではないでしょうか。
私たちは不器用にしか伝えられません。
だからこそ、シンプルに魅力を伝えていき、それを感じてほしいと願っています。
2世紀初頭にローマ兵達が防寒の為に首に巻いたウール布がネクタイのルーツと言われています。
「フォーカル」と呼ばれたこの布は、妻や恋人達が戦地に行く兵士たちの無事を祈って贈った大切なお守りと言われています。
17世紀後半に、王に使えるべく駆けつけたクロアチア騎兵が、揃って首に巻いていたこの「フォーカル」という布。闘志を表現しながらも、エレガントなこの首飾りが宮廷に広まり、いつしか一般市民へと広がり「クラバット」と呼ばれるようになりました。
19世紀初頭にファッションの主流であった英国で稀代の洒落者と言われる詩人のオスカーワイルドによって、現在のネクタイ「フォア・イン・ハンド・タイ」が考案されました。
そのシンプルさと完成された美しさから今の形のネクタイが主流となり、100年以上経過した今でも形を変えず、紳士に許された嗜みとして受け継がれています。
洋服や靴や鞄などは意味のあるものとして捉えられているが、 ネクタイは機能性にも乏しく意味がないモノという話もチラホラ聞くが、 何百年もの時を経ても現在に残っている理由があります。
それは、数あるファッションアイテムの中で唯一、男性のエレガンスのみを追求した存在だからです。
特にビジネススタイルにおける、男性ファッションは一般的には非常にエレガンスさに欠ける。
その中で、唯一、彩りを加え、スタイルを整える重要な役割を成すのがネクタイです。
歴史の中で兵士がネクタイを巻き戦場へ向かったように、 企業で戦う男性の象徴として現代へと受け継がれています。 ネクタイの大剣(表面の幅広部分)と小剣(裏側に回る幅狭部分)。
その呼び名も受け継がれた歴史を物語っているのではないか