最近、日本国内での製造商品のフォーカスが当てられることが多くなってきました。
そこで言われているコトは、日本ならではの品質とか素材。
ですが、【品質重視】と言うことで、そこまで響くのか?ということには疑問を抱きます。
国産製品の大部分が、そこそこいい値段で販売されています。
その価格の設定方法のシステムにも疑問を感じてしましますが。
その、そこそこいい値段で販売されている商品の品質がイマイチだ。
なんてことがあっていいのでしょうか?
我々からすれば、品質が良いコトなんて当たり前なのです。
良いものだったら売れる。支持される。
というのは神話みたいなもので、何の根拠もないものなのではないでしょうか?
ブランドを作り押し出しているのは《品質》ではなく《世界観》ではないでしょうか?
モノづくりの品質や産地推しだけで成り立つなら、今頃、産地や工場の敷地はビルの集合地帯です。
実際はそうではありません。
良いモノは信頼されて実績もついてくる。
それは安易な希望的観測であり、まったく的を得ていない。
我々が関わっているネクタイで例えてみましょう。
産地の生地を使用し、製作期間に膨大な時間を費やして、最高品質の商品を作った。
そのデザインは、TV業界ではキラキラモザイクで処理されるような汚物であった。
という商品がユーザーから支持されるだろうか?
面白半分で手にする人は一定数存在するかもしれないが、決してそれは恒久的なものではありません。
やはり、世界観を打ち出し、《なんとなく良い》を引き出し伝えることがブランドの役割なのではないでしょうか。
こだわりの部分をピックアップしたり、良さを伝えることと共に、言葉や文字では表しにくい《なんとなく》こそ最強であると思っています。
たかがネクタイ、されどネクタイ。
男性を魅力的に演出する一つのアクセサリーとして、独自の世界観を届けています。
某番組で、クールビズを題材にしたコーナーがあったのを拝見しました。
街頭インタビューから始まり、スタジオでのセッションみたいな感じだったのですが、
街頭インタビューはリアルな声でした。
肯定派
・暑い時期だから、軽装になって楽だ。
・結ぶ手間が省けたから嬉しい。
・父の日にネクタイを考えていたけれど、暑いから別のものを考えている。
否定派
・だらしなく見える
・男性の魅力が減少する
・華がない
といったところでしょうか。
スタジオに戻って、クールビズ対応商品という名目で。結ばずに簡単に使えるネクタイや、裏地がスマホ拭きに使えるような、便利グッズのようになったネクタイも紹介されていました。
そんな機能、ユーザーは求めているの?
というのが率直な感想でしたね。
本来の意味や、なんやらは置いておきましょう。
女性目線から見た、結ぶ姿や緩める姿がセクシーだ!みたいな話も横へ置いておきましょう。
私はネクタイに便利機能は必要ないと思っています。
ネクタイは男性を魅力的に演出するための一種のアクセサリーです。
女性がイヤリングをしたり、ネックレスをしたりする感覚を想像してみてください。
便利ネックレス。高機能イヤリングなど、ユーザーは求めているのでしょうか?
求めているとすれば、名探偵なんちゃらのような、身体機能を増強したり、声が自由に変わる変声期だったり、そんなところでしょうか。
ファッションの一部としてあるはずのネクタイが便利アイテムになりますよ!と言うことには違和感を感じてなりません。
確かに、高齢であったり、身体の不自由によりネクタイが結べないという方に向けて、簡易的に着脱が可能なネクタイがあったり、用途によってその力を発揮するものがあってもそれは良いことだと思っています。
時代に合わせた商品づくりは必要なことかもしれません。
対応していくことも企業としては必要なことなのだとは思います。
ただ、的外れにネクタイの本来の使用用途を変えていくことには違和感を感じてしまいます。
ネクタイが必要ない時期もありますし、ネクタイを必要としない人たちも当然おられます。
当たり前ん結んでいた時代からあえて結ぶ時代に移り変わってきたからこそ、変わらない部分や貫きたいプライドがあります。
本来の意味や、目的を忘れてしまいがちな状況が今のネクタイ業界ではないでしょうか。
2005年からのクールビズ。2011年の東日本大震災。
クールビズには拍車がかかり、多くのネクタイに関係する業態は苦境に立たされましたし、それは現在進行形で続いています。
私たちも逃げ出したくなったり、目をそむけたくなるような現実は目の前にたくさんあります。
耳を疑うような理不尽なことだってあります。
それでも本来の自分の想いを忘れてしまうと本末転倒です。
ビジネススタイルも、ライフスタイルも多種多様な現代において、それでも変わらす本来の魅力を伝えることが私たちのミッションだと考えています。
SHAKUNONEのネクタイはスマホを拭くものでもありません。
洗濯機でも回してほしくありません。
本来の姿でありのままにお届けしています。
SHAKUNONEのネクタイの生地を選び、配色をし、織りあげてお仕立てするまでに、3つのテーマがあります。
これは私が生まれた国、日本。
育ってきた環境。
支えてくださった皆様が居て構築されたモノです。
奥ゆかしい、謙虚、日本人は海外と比べてもこのような言葉が似合います。
さらにはネクタイは決して主役にはならない。身に着けてくださる方の魅力を引き立てる素敵な共演者であると位置づけています。
ですので、総じて派手なデザインはありません。
決して主張しすぎず、しかし、身に纏う人の中心で共演するモノです。
その為に色使いが多少の及ばず、シンプルなデザインとシンプルな配色でお仕立てしています。
時計、財布、鞄、ベルトetc・・・
男性の身に着けるモノとして、唯一体の中心、そして印象を決めるVゾーンを彩るのがネクタイです。
身に纏う人の品格を引き立て演出する為にも、ディティールや素材にこだわりを持っています。
素材は、国内でも有名な富士吉田地方のシルク織り。京都丹後地方のシルク織りを使用しています。
人肌に一番近いと言われ、美しさを放つ光沢をもった美しい天然繊維を使用しています。
仕立ても「身に着ける方の姿」を想像しながら、一本一本お仕立てを致します。
柔らかなお仕立てで、身に着ける方自身の気持ちよさ、他覚的に観た時の風合いのある男性を演出できるよう、醸し出される品格を細やかなディティール感で演出しています。
一つのモノが出来上がるまでには、必ず「ヒト」が関わっています。
織り成すヒト。
お仕立てするヒト。
身に着けるヒト。
たくさんのヒトが関わって、ヒトはモノを使います。
そのヒトそれぞれに歴史があり、想いがあり、願いがあります。それをフィルターを通さず、直線的に繋げることが、私たちのミッションです。
多くのヒトが紡いで繋いできたモノガタリを伝えたい。
そんな想いで、今まで構築してきた技術を大切にし育てていきます。
独りよがりで自己満足なモノではなく、成長する技術。そして後世に伝える技術として育んでいます。
そして製品に影響を大きく及ぼし、その人の印象を大きく左右する「色使い」。
見えている色は同じかもしれません。
しかし感じている色は十人十色。
私たちが生まれた国、育った環境、見てきた景色。それを育んだ世界観と歴史。
そんな色使いをテーマにし、「和色」を使用しています。
レッド=赤。 ブルー=青。 グリーン=緑。
といったような、平面的なものではなく、和の色の表現に着目し、
天色。金茶。濃藍。萌葱色。葡萄。などの、日本人独特の色彩感覚、色表現をコンセプトにしています。
日本国内でのネクタイへの価値観は、ひと昔前からは変わり、
当たり前だったからこそ軽薄になってしまっていたコトもあるのではないでしょうか。
私たちは不器用にしか伝えられません。
だからこそ、シンプルに魅力を伝えていき、それを感じてほしいと願っています。
5月の昼間なのにやたら寒いです。
クールビズも始まったようですが、ネクタイを外して暖房をかけている所もあるとかないとか。
それは意味がないのでは無いでしょうか?
その話はさておき。
2005年に提唱されたクールビズから約13年程経ちました。
当初はあまり定着せず、少しずつ世の中に浸透していきました。
その途中には、東日本大震災もあり、クールビズ期間を延ばすという措置もありましたね。
昔はネクタイは当たり前にするものでしたが、現在ではあえて結ぶモノへと変わってきました。
時代の中で変わりゆくもの、無くなっていくもの、たくさんあると思います。
皆さんの目にはどう見えているでしょうか。
ネクタイは必要ない。
ネクタイの意味は無い。
ネクタイが嫌いだ。
そんな言葉を見ることもしばしばです。
ネクタイ業界は、時代の変化に対応できず、衰退していくこともやむ無し、と言われることもあります。
その時の時代背景に合わせた変化をしていくことはどんな業種においても必要なことと思います。
ただ、ひとつ。
変わらない事は、ネクタイを結ぶことが、
[カッコ悪い]ということはない!ということです。
多角化、多様化、変化。
考えるべきことは多々あれど、
そんな今だからこそ魅力を最大限に引き出してお伝えすることが出来る存在でありたいと思っています。
職人は器用で何でもできる。ということはありません。
逆に不器用で、1つのことを真っ直ぐにしか出来ないからこそ、
その役割をキチっと果たす。
それが我々のミッションであると考えています。
それを支えるのはただ一つ。
ネクタイが好きだ、ということです。
いいネクタイを作りたい、という訳ではなく、そのネクタイを結んでくださる方が魅力的になれたら良い。
そんな想いです。
だから、ネクタイが嫌いだなんて言わないでください。
GWも明け、今日から仕事の方も多いかと思います。
5月に突入し、クール・ビズもはじまりました。
クール・ビズが始まるとネクタイの販売はやはり少なくなります。
しかし、我々は秋冬物の生産が本格スタートする時期です。
夏には冬を、冬には夏を。
そんな生産背景です。
さて、本日5/7に発行された[繊維ニュース]にシャクノが掲載されました。
早速お問い合わせや応援のご連絡を頂き、感謝しております。
この中で1点、日本橋タカシマヤでの催事と掲載がある部分がございますが、正確には、日本橋三越本店でございます。
記載ミスに関して、お詫びと訂正をさせていただきます。
申し訳ございません。
近日中に訂正の記事が上がりますのでご確認ください。
先日から問い合わせの多かった商品オンラインショップへの商品追加を致しました。
思い切ってかなり多くの商品を供給させていただいております。
今まで商品の価格帯は¥8424(税込み)のワンプライスのみでしたが。
商品増強で、¥8,424——-¥10,800——-¥14,040の3プライス展開を始めます。
SHAKUNONEに従来からあった商品は今まで通りですが、
¥10,800の商品は、従来より生地を多く使用し、芯材もウール起毛芯を使用している為、柔らかで肉厚な質感に仕上がっています。
¥14,040の商品は、特別仕様の「emon仕様」を採用した商品になっています。
随時追加や変更もさせていただきます。
価格は3種類用意させていただいておりますが、お仕立てしている気持ちはどれも変わりませんし、どの商品も自信のネクタイです。是非お気に入りのネクタイがあればお選びいただき、素敵な共演者としてアナタのスタイルに華を添えさせてください。
また、展開店舗が増えます!!
岡山県内追加店舗
・天満屋ハピータウン玉野店1階
玉野市宇野1-3-8 0863-33-1010
香川県初進出!!
・丸亀町グリーン 天満屋ジョリーメゾンプリュス
香川県高松市丸亀町7-16 西館3階 087-802-5400
今までメディアの影響もありましたが、香川県からのお問い合わせも非常に多かったのにも関わらず、販売店舗が無かったため手に取っていただく機会が少なかったのですが、この機会に是非お手に取っていただければと思います。
トレンドの意識と言うことは常に考えていかなければなりません。
お客様からも「今どんなのが流行っていますか?」という質問は非常に多くいただきます。
カジュアル衣料程ではないにしろ、たしかにビジネスウエアの中にもトレンドや流行は存在します。
そんな中でも、市場のトレンドに流されない、SHAKUNONE独自のコンセプトや世界観というものは存在します。
①【声をカタチに】
通常作り手は影の存在で、市場に商品を提供することはしても、エンドユーザーと直接的に接点を持つことはありません。
今まで良い声も悪い声も、私たち職人の元へは届いてきませんでした。
本質的にお客様に感動していただけるモノを仕立てていく為には、それではいけないと思い、店舗にお願いをし販売の最前線に立つことを始めました。
そのことにより、お客様の生の声を聞き、良い点も悪い点も吸収することで、直接的に商品への反映をさせることが可能になりました。
SHAKUNONEのネクタイは、お客様の声なのです。お客様の声にSHAKUNONEのテイストを加えたネクタイなのです。
②【あなたの素敵な共演者】
ネクタイは主役ではありません。主役は身に着けるあなた自身です。
その想いを持ち続けています。
決してスーツやシャツが主役でそれを引き立てるモノなのではなく、身に着ける男性を魅力的に引き立てる〔共演者〕。
映画やドラマでいう主役と共演者の関係を結ぶことが出来れば、あなたはもっとカッコよくなれます。
ですので、主張をしすぎません。派手な演出ではなくあなたをそっと支える共演者でありたいと思っています。
なので派手なデザインは多くありません。自然に男性が引き立つ世界観を演出しています。
今日、繊維ニュースさんの取材を頂きました。
取材中に、上記のコンセプトや世界観のお話までさせていただきましたが、
「それは、元々美容師をしていたという経験が大きく影響しているのではないですか?」
と言われました。
元々美容師をしていたということに関しては時々お話しすることはあっても、話のネタ程度で、あまり影響があるとは自身では思っていませんでした。
ですが、逆に記者の方に引き出していただいた部分があるのではないかと感じました。
お客様を魅力的に演出する仕事として、美容師と現職は通ずるものがある。
新たな発見をさせてもらいました。
ネクタイを作っているのであれば、シャツやスーツ、ベルトや靴といった商品との連携は必須だろう。
と、自分でも把握している。
〔縫製〕と、ひとくくりに考えても、作るアイテムが変われば全くステージが変わる。
ノウハウも違えば、取引先も変わるし、大きな垣根もある。
特に、工場や一職人となれば、横の繋がりなんてほとんどありません。
同じ思いやテイストを持っていても、畑が違えば交わることもない。
そんな感じなんです。
メンズファッションで地鳥の男性を格好良く演出する思いは一緒のはずなのに、単体でバラバラに動いている。
会社も所属も違えば当たり前なのかもしれませんが、そんな当たり前は壊してもいいようにも思っています。
もっともっとできる。
チームを作れば、もっと飛躍できる力があるんじゃないでしょうか?
一人の力は小さくても、同じ思いを共有して発信して、
同じ目的を持って動ける共演者を作ることができれば、もっと力を発揮することができるんではなでしょうか。
私の夢モノガタリ。