自分のネクタイを選ぶ時、贈り物に選ぶ時、少なからず悩むアイテムの一つがネクタイです。
1年の中でネクタイを着用しない時期などもあり、昔のスタンダードとは価値観も変わってきています。
ネクタイ=働くサラリーマンの当たり前
という時代は昔の話。
今は、ネクタイ=感じさせるもの
というのが私の考えです。
そう言うと、「昔もそうだった」と言われるかもしれませんが、現代はさらにその価値観や意味合いが強くなっている。というのが正しい表現かもしれませんね。
職人として年間10万本のネクタイに関わり、2000人以上のお客様と対話をする私がお伝えする「印象の選び方」を書かせていただきます。
まず、ネクタイを選ぶ時に大きく分けて2つのことを意識しなければなりません。それは、
色と柄です。
印象を選ぶわけですから、当然といえば当然なんですが、
ここを深く理解しておけば、相手に与える印象も、自分自身の内面も変えることが出来ます。
まず色から説明していきますね。
・赤系
力強く外交的、やる気があり華やかな印象を与えられます。
勝負の日や営業の日になどに選ばれるのもいいでしょう。
原色に近づくほど活発で、暗くなるにつれて落ち着いた印象を与えます。また赤には、自分の自身を内面から前向きにする力もあります。年間を通してよく選ばれる色ではありますが、暖色系の代表的な色なので、寒い時期に着用されると全体が暖かな印象に包まれるでしょう。
・紺、青、水色系
ビジネスシーンにおいて多く使われる色で、特に紺系は日本人に最も親しみのある色でいっても過言ではないほど人気の色です。安定感があり、礼儀正しい、信頼できる、知的、真面目、若々しいという印象で信頼感を与える事ができます。目上の人と会う時、大切な商談の時などに着用すると良いでしょう。色が濃くなると落ち着いた印象に、水色に近づくと爽やかな印象になります。
悩んだときや迷ったときは紺系を選んでおくといった着地点としても良いかもしれません。
・ピンク系
優しく、気配りができるような柔らかな印象が感じられる色です。女性とのコミュニケーションを円滑にしたい日、デートの日、甘え上手になりたい時に着用するとよ良いかもしれません。
「若い時じゃないと着けられない」とおっしゃられる方もおられますが、そんな事はありません。年配の方こそ、暗く落ち着きのあるモノを選ばれがちになりますし、人生の性で見た目の衰えも出てきてしまいます。そんな時こそ「パッと明るい印象」を与えてみてください。
顔の怖い人とかも、イカニモ・・・という色味より明るい色味を選んでみてはいかがでしょう。
・黄色系
健康的で明るさや親しみやすさといった、ポジティブな印象を与えることができる色です。コミュニケーションを円滑にする効果もあると言われているので、初対面の人と会う日、発言力が欲しい時に着用するとよいでしょう。ただ、カジュアルな印象にもなるので、堅い業界でのお仕事の場合は配慮が必要かもしれません。
健康面に不安があった政治家が、復活時期に合わせて黄色を多用していたこともありました。印象がものを言う世界でもありますし、口では言わないものの、印象で語るというと言うのは重要なんだなと実感したこともあった色の一つです。
・紫系
気品や自信を表現する色です。光沢のある紫系の色味なら妖艶な印象を与えますが、深い色味になってくるとベーシックにも使えます。シーンに合わせて使っていくに当たって1本は持っておきたい色ではないでしょうか。常用ももちろんですが、パーティーなどの華やかな場所で身につけられるのも良いでしょう。欲求不満色的な表現をされることもありますが、それも魅惑や品の現れです。本来スーツスタイル自体が品を持った服装ですから、紫は非常によく合う色です。
・緑系
穏やかで話しやすい印象を与える色です。
明るい色になると爽やかな印象も出ますし、深い色になると落ち着いたどっしりした印象にもなります。植物の葉など自然の中にあってよく目にする色なので、親しみも持てますし安心感さえ与えてしまうような色です。込み入った話や、安心感を感じさせたい時などに選ぶと良いでしょう。
・ブラウン系
堅実で、落ち着きがあるという印象を与える色です。
比較的暗めの配色が多いのが特徴です。若い方は「おじさんぽい」と着けられない方もおられますが、ブラウン系には「落ち着きや威厳」を感じさせる効果もあります。対等または対等以上の方と会うときや交渉するときなど、自分の心身を安定させたい時、品や大人の余裕を感じさせたい日などに選ばれると良いのではないでしょうか。
・グレー系
慎重で冷静沈着という印象を与える色です。交渉事など、相手に自分の感情を読まれたくない時に身につけるとよいかもしれません。
濃度にもよりますが、比較的色味自体が強いものではないので「クールな人」と思わせたい時にも効果的な色です。
薄い色や光沢のあるモノは、フォーマルシーンにも使用できますし、幅広い活躍ができる色です。
代表的な色のお話をさせていただきましたが、いかがですか?
結構しっかり書きましたが、あくまで捉え方は人それぞれです。ですが、基本的な色の感じ方は書かせていただいたとおりです。
さて次は柄について書かせて頂きます。
・無地(ソリッド)
印象→〈品格・誠実〉
改まったフォーマルシーンから、通常のビジネスシーンまで幅広く使うことができます。素材の品質がストレートに伝わるので、無地のネクタイほど良質なものを選ぶことがオススメです。無地こそ色や素材、織り柄などこだわるポイントが多いかもしれませんね。
・ドット
印象→〈伝統・上品〉
存在感はしっかりあり、なおかつシンプルなため、着回しが利きます。
場所を選ばず、一年を通して使えます。
▶ドット大(ポップな印象)▶︎ドット小(ベーシック)となるので、ビジネスシーンでは、小さなドット柄を選ぶとより良いでしょう。
・小紋柄
印象→〈理性、安定〉
幾何学模様や花柄など様々な柄があり、上品で誰からも好印象を持たれます。柄が大きいとカジュアル、小さいとクラシックな印象になる。ビジネスシーンでは、小さな柄を選ぶことがオススメです。
・ストライプ(レジメンタル)
印象→〈爽やかさ、勤勉〉
フレッシュで知的な印象を与える定番の柄。細面の人にはストライプの間隔が広いネクタイ、丸顔の人にはストライプの間隔が狭いネクタイが似合います。就活などでもよく選ばれますね。
ただし、海外では特定のグループ(大学など)に所属しているという意味を持つ場合もあるので、海外の方とのビジネスの場では、着用を避けることがオススメです。
・チェック
印象→〈親しみやすさ〉
カジュアルで親しみやすい印象を与えます。
配色次第では派手になってしまいやすい柄なので、ビジネスシーンでは色数が少ないものや、スーツとの統一感を持たせてまとめるのが良いでしょう。
・ペイズリー
印象→〈個性、存在感〉
エレガンスで個性的な印象を与えます。大きさや色の組み合わせで着用すると存在感を引き立てる効果があります。年配の方が「昔流行った」とよく言われますが、近年では個を他者との差別化させる目的で若い方がこだわりの一品として使われることも多いです。
代表的なものを画像も含めて紹介させていただきました。
パッとみただけでも様々な物があって、悩んでしまうのも当然です。
だからこそ、
〈どのネクタイを選ぼうかな?〉という入り口ではなく、
〈どんな印象を選ぼうかな?〉という視点から入っていただくことを強くオススメします。
誠実な印象や真面目な印象を与えたいなら
紺系ストライプ、紺系無地
品や個性を演出したいなら、
紫系ペイズリー、赤系コモン
口下手で暗い印象のある人の印象を補填するために
黄色系ドット
いつも騒がしい印象の人に、ここぞの落ち着きを与えるために
ブラウン系無地
例を見ていただければわかるかと思いますが、
強調or補填
の関係性が重要になってきます。
例を上げていけばキリがないほどにあるかと思いますが、組み合わせも当てる印象も自由です。
当たり前にネクタイをしていた時代にももちろんあったことではありますが、やはり意識を向ける対象といて強い意味を持つアイテムの一つになってきた事実は確実にあります。
自分用に選ぶ場合も、プレゼントに選ぶ場合もこの土台は変わりません。
昭和も平成も令和もどの時代にも共通していながら、重要度が変わってきています。
最後にこれは参考までに書かせていただきます。
ブランドや価格帯はどう選んだら良いのか?
ということです。
様々な価値観がある中で一概には言えません。
ただ、印象を左右していくネクタイにおいて、そのテイストやブランド背景は『モノ(商品であるネクタイ)』に色濃く反映されます。
そして時に会話の糸口になったり、話題の中心になったりすることもあります。
高級でメジャーなブランドを選択するのも良いでしょう。
こだわりやストーリー性を持ったブランドを選ぶのもいいでしょう。
自分用にリーズナブルなものでも5000円程度のものから。
プレゼント用のものなら10000円以上のネクタイを選ばれるのが最適化と思います。
あなたはどのネクタイをどう選びますか?
もしご興味があれば、私が立ち上げたブランド
『SHAKUNONE’(しゃくのね)』をご覧になっていただければ幸いです。
今日書かせていただいた内容は、ずっと私が感じ学んできたことです。
もちろん好みもあるかと思いますが、印象を結ぶネクタイとして日々研究を重ねお仕立てしているネクタイです。
参考にご覧いただければ嬉しいです。
※Instagram、Twitterもやってます。
是非フォローお願いいたします。
この度、SHAKUNONE’をご愛用頂いております、今村悠太様が東京日本橋にHARUKA一級建築士事務所を設立されました。
※HARUKA主宰 今村悠太様
HARUKA一級建築士事務所webサイト
⇨https://haruka-architect.com/index.html
今村様とは東京で出会い、店頭で一度お話をさせていただいたのですが、
その日は帰られました。
翌日、また足を運んでくださり、
独立するにあたり、
「お客様にクオリティの高い住宅を提供するにあたり、自分自身も納得できるクオリティの高いモノを身につけていたい」
という信念を持たれ、数あるものの中からSHAKUNONE’を選んで頂きました。
※webサイトの写真撮影時にSHAKUNONE’を選んで身につけて下さっています。
今村悠太様は1986年 静岡県焼津市生まれ。
静岡県立藤枝東高等学校卒業を卒業後、金沢大学に進学され、
2011年には金沢大学大学院博士前期課程修了されています。
名古屋の建設コンサルタント勤務、東京の設計事務所勤務を経て2019年 5月にHARUKA設立を設立されました。
後から分かったことですが、私と同級生なんですね。
また親近感が湧きました。
一つ一つの事に妥協せずこだわりきる姿勢は、必ず仕事のクオリティにも繋がるとおもいます。
今村様のご健康とご多幸、HARUKAの御発展をお祈り申し上げます。
私たちの送り出すブランドは大切な人への大切なプレゼントに、そして、男性が自分絵のギフトとして選んでいただけるようなネクタイをお仕立てしています。
是非一度、商品もご覧になってみてください。
フォローいただけますと幸いです。
Instagram フォローいただけますと幸いです。
ネクタイの選び方って昔に比べると変わってきたなと思うことが多々あって、
自分の経験則も含めながらnoteに夢中になって書いていると長く濃い内容になってしまいました。
よろしければ是非下記のリンクから読んでみて頂けますと絶対参考になるはずです。
https://note.mu/shakunone/n/ne3de2ae0af57
お知らせ
2019年4/24~4/30まで、阪急メンズ東京B1ネクタイフロアでSHAKUNONE’を展開致します。
お近くの方は是非起こしください。
平素はネクタイブランドSHAKUNONE’をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。
3月になり、予定していた都市部でのイベントも近くなってまいりました。
阪急メンズ大阪1Fシャツタイフロアで3/13~3/26で展開しますPOPUPストアでは、私も店頭に立たせていただき、
クイックカスタマイズサービスを承ります。
その中で新しいサービスとしてご提案させていただきますのは、
『タッセル付け』でございます。
タッセルは欧州では権威や栄光の象徴。
中東ではお守りのような意味合いを持ちます。
大切な時に結ぶ、または、大切な人に贈ることの多いネクタイだからこそ、特別なものでありたい。
そんな強い思いをもって仕立てたネクタイに、お客様の『想い』や『願い』を加えてタッセルをあしらいます。
どのブランドのネクタイでも見たことのない、特別な一本を選びにいらしてください。
そして、静かに、それでいて迫力を感じるようなネクタイに出会っていただきたいと願っています。
私には夢があります。
今、ネクタイ縫製工場からブランドを立ち上げて、少しでもお客様に価値と感動を与えたいと思って挑戦しています。
それと同時に、自分が育ってきた環境や受継いできた想いや技術を守り、
未来へ繋げたいという気持ちを持っています。
ゼロからの挑戦で、
『下請けの縫製工場ごときに何ができるねん』といった反応や、
現実にかなり厳しい状態もありました。
まだまだ小さなブランドですし、思うようにいかないことの方が多いですが、たくさんの方の支えもあって、小さな成功体験を積み重ねていき、
最初には想像もできなかったステージでの挑戦ができるようにもなり、着実に育ってきています。
正直かなり無理もしましたし、頑張りました。
もがくように、藁をもつかむ思いで挑戦してきました。
その道中に出会ってきたたくさんの人たちの中に、
私みたいに、課題や問題に取り組んだり挑戦していきたい人はたくさんいました。特に下請けとして働いている多くの同業の方からはそういった声が多き聞かれます。
ですが、
・思うようにできない
・何をしていいかわからない
・ただもがいているだけ
そんな方も多くいらっしゃいます。
正直、今はまだ私に大きな波を起こせるような力はありませんが、
近い将来、そういった人たちが呪縛から解放されて、自由な仕事が出来たり、自立できるような取り組みのサポートができる環境を作れたらいいなと思っています。
実際、挑戦してきたブランド事業は暗中模索でとにかく苦労しました。
頭も体もボロボロになる思いでした。
そういった苦労の先にしか見えてこないモノがあるのかもしれませんが、
そういったキッカケすら持てずに苦しんでいる人達がたくさんいるんじゃないかと思うんです。
現状でも、「日本の工場を救う」という理念を打ち出して頑張っている方をメディア等で見かけることはあります。
立派な理念ですし、実際に救われた数社はあるのかもしれませんが、
特定の工場と提携をしているだけでは、目の前の工場に一定の利益を与えただけになってしまいます。
正確に言えばそれは、
「日本の工場を救う」のではなく、
「自分たちに利益を与えてくれる目の前の工場は救う」です。
結局この状態では、工場自身の自立も促せないし、なんのこっちゃわかりません。
じゃあ私がやったら全部の工場を救えるのかと言われればそれは難しいかもしれませんが、少なくとも「特定の・・・一つの・・・」ではなくて、
「出来る限りたくさんの、1つでもたくさんの可能性を創出していきたい」
と思います。
大きなことを言っているように感じるかもしれませんが、こんな場所や環境を作っていくことが私の夢です。
自分たちのように苦しんだり、もがいたりしながら、
弱い立場で居続けなければならない会社やそこにいる人たちに、
キッカケや可能性を与えられるようになりたいと思うんです。
まだまだ成功しているとも言えない自分がこんなことを言ってて笑われるかもしれませんが、
その為にまず自分がもっと強くなったり自信が持てるようにしたい。
今は与えていただくばかりかもしれませんが、
与えられるような人になりたい。
そう思っています。
とにかく、思ったことは書いたり、伝えたりしていないと、
心の中は誰にも読めませんから、
常に『言語化』して、有言実行していくことを心掛けていきたいと思っています。