モノを作っている職人や現場や工場は公に出たがらない。
それを囲っているメーカーも生産現場を公開したがらない。
ある意味お互いの要望はマッチングしているように思えます。
昔は、1.2社の発注先との取引だけで飯が食えていて、自分たちをさらけ出さなくても安泰だった時代があるんだと思います。
正直、私はそんな時代は知りませんが。
生産工場を独占的に使いたい側は当然生産現場まで公開するようなことをしません。
もし、公開して他からの発注が入って、ましてそれが条件的に自社よりも良かったなんてことになれば、不利益被りますからね。
そんなこんなで工場側も表に出ない黒子に徹してきたのが、日本の工場の現実かと思うのです。
工場も、まあ飯食うのに困ってないし現状のままでいいや。と安易に考えすぎだったのではないでしょうか。
しかし、現代のアパレル不況、情勢の変化で、現実を見た時に、低単価、仕事量の減少、職人の高齢化、後継者問題、多くの問題に直面している工場が非常に多い。
じゃあ、何かしようと言ってみても、何をしていいのかわからない。
とりあえず、利益率の高い自社ブランドなり、ファクトリーブランドなり作って販売してみようとやってはみるが、販路も無ければ、やり方もわからない。
「カタチヅクル」という点においてはその道のプロなのに、今まで当たり前にやってきたことなのに、
一歩外界に出ると、眩しすぎて死んでしまうモグラのよう。
ずっと地下で過ごしてきたから地上に出た時にビックリして何にもできないようなものです。
今はなんでもネットで検索する時代です。
私自身、何かあれば検索します。
逆に、ネット検索をしてwebサイトが出てこないようなお店には、不信感さえ覚えることがあります。
サイトも持ってなければ、包み隠されることも多い。
そりゃ、世間から見たら存在してないことと同義ではないですか?
包み隠される工場は外界との接触がなくて、不条理が当たり前になっていく。
上記した内容は、数年前までの私たちの現状です。
外に出て、多くの人と関わって、アドバイスをもらって、その中でwebサイトも作り、こうしてブログも書くようになりました。
ネクタイのファクトリーブランドとして、最初は作ってみただけ。
だから1年目は何も変わり映えしない一年でした。
何処でどんな話をしても、反応は冷たいし、だから何?くらいの反応です。
結局、自分たちでもどうしたら良いのかわからないから、なんとなくやっていただけだったんですよね。
そこでwebサイトも作って、とにかくネット上に存在する場所を作ってみました。
すると、少なからずリサーチの着地点ができ、問い合わせなどもチラホラ出てき始めて、信頼度も上がってきました。
分業制で成り立ってきた現在のアパレル産業のシステムの中で、身動きを取ることは、思いのほかしんどいです。
自由に作れることが理想ですが、体感している現実は、不自由なものです。
市場が必要としているモノを、メーカーや小売でさえよくわかってないし、生産現場にいる職人や技術者たちは前述したように、モグラ状態。
本当に必要とされるモノを理解しようとすることすらしていない。
まずその方法すらわかってない。
いつ崩壊してもおかしくない状態だと思うんですよね。
若い世代も育ってない。
今までの当たり前から脱却するつもりもない。
そもそもそんなことすら考える頭がない。
やれやれ。
機密情報があるわけでもあるまいし、何を隠れているんだい?
一生飯食わせて養ってやるよって覚悟もないのに、そんなに束縛する必要あるのかい?
昔と今を比べたって、昔と今は違うんだから、今を生きないと、過去に戻ることは出来ないでございますよ。
だから、逃げ恥風に言うと、こざかしいコトをやっているのかもしれませんが、私のやっていることが当たり前くらいになって、多くの仲間ができるコトを信じています。