ネクタイプレゼント | SHAKUNONE(しゃくのね)|MADEinJAPAN 静かな迫力が伝わるこだわりのネクタイブランド【SHAKUNONE(しゃくのね)】では、国産のシルク生地とハンドメイドにこだわり一本一本丁寧にお仕立てしております。伝統の職人技を活かした高級感のある仕上がりで、ビジネス、カジュアル、パーティーなど、様々なシーンに華を添えます。大切な人への特別なプレゼントとしてもおすすめです。

ネクタイのメンテナンス方法-職人が徹底解説-

毎日身につけるネクタイですが、意外とお手入れ方法を知らない方も多いのではないでしょうか。ネクタイはスーツスタイルの印象を左右する重要なアイテムであり、正しくメンテナンスすることで清潔感と信頼感を与えることができます 。本記事では、ネクタイに詳しくない一般の方向けに、ネクタイの基礎知識から日常ケア、保管方法、シワ・汚れ対策、そしてやってはいけないNG行為まで、誠実で信頼できる語り口で丁寧に解説します。お気に入りのネクタイを長持ちさせ、いつまでも美しく使うために、ぜひ参考にしてください。

 

1. ネクタイの構造と素材の基本知識(なぜメンテナンスが必要なのか)

ネクタイの構造とデリケートさ – ネクタイは細長い布状の表地と、その内部に形を保つための芯地(インターライニング)からできています。表地にはシルク(絹)をはじめウール、麻、綿などの天然素材や、ポリエステルやアセテートなどの化学繊維素材が使われます 。多くの高級ネクタイは生地をバイアス(斜め45度)に裁断し、裏側を一本の長い糸で手縫いする「スリップステッチ(たるみ糸)」という方法で仕立てられています 。このたるみ糸は結び目を締めたり緩めたりする際にネクタイ全体を適度に伸縮させ、型崩れを防ぐ**「ネクタイの生命線」**ともいえる重要な構造です 。

なぜメンテナンスが必要か – ネクタイは素材・構造ともに非常にデリケートで、シャツやスーツに比べてもダメージを受けやすいアイテムです 。特にシルク製のネクタイは水分に弱く、汗や汚れが染み込んでも家庭で気軽に洗濯することができません。形状記憶させる芯地が入っているため、洗濯機で回したり濡れたまま放置したりすると芯がヨレたり生地が縮んだりして元の綺麗な形に戻らなくなってしまいます 。また、ネクタイは首元で強く締めるためシワができやすく、生地表面もスーツやベルトとの擦れで傷みやすいです 。適切なお手入れをしないと、シワや汚れが蓄積して見た目の印象を損ねるだけでなく 、ネクタイそのものの寿命も縮めてしまいます。

印象への影響 – 顔周りに位置するネクタイは面積こそ小さいものの、相手に与える印象を左右する存在です 。ピンと綺麗に整えられたネクタイからは細部まで気を配る姿勢が伝わり、清潔感や信頼感を演出できます。一方で、シワシワだったり汚れが目立つネクタイを締めていると、「だらしない人」「仕事への態度もいい加減なのでは?」といった悪い印象を与えかねません 。このようにネクタイのお手入れは身だしなみの基本であり、ビジネスシーンで好印象を得るためにも非常に重要なのです。

素材ごとの注意点 – ネクタイをお手入れする際は、まず素材の確認が欠かせません。例えばシルクやウールなど天然素材のネクタイは自宅での水洗いが不可でドライクリーニング指定のものがほとんどです 。誤って家庭で洗濯すると、生地が傷んだり型崩れしたり風合いが変わったりする原因になります 。一方でポリエステル100%など「ウォッシャブルネクタイ」と表示された製品は、手洗いできる場合もありますが、それでも型崩れを防ぐため優しく洗う必要があります。基本的にはネクタイの洗濯表示タグを確認し、「家庭洗濯不可」の場合は自己流の洗濯をしないことが長持ちの秘訣です 。まずはネクタイの素材と表示をチェックし、それに合ったメンテナンス方法を選びましょう 。

 

2. 着用後すぐに行うべき日常的なケア(ほどき方、休ませ方)

ネクタイは使った後のひと手間が肝心です。着用後すぐに正しいケアをすることで、シワや傷みの蓄積を防ぎ、翌日以降も気持ちよく使える状態を保てます。ここではネクタイを外した直後に行うべき基本ケアを解説します。

 

(1) 正しいほどき方 

ネクタイを外すときは、乱暴に引っ張らず結んだときの逆手順で丁寧にほどきます。NGなのは、結び目(ノット)部分を力任せに引っ張って無理やり緩める方法です 。これをしてしまうと、生地や縫い目に強い負荷がかかり、ネクタイがすぐにくたびれてヨレヨレになってしまいます 。正しいほどき方は片方の手で結び目を押さえ、もう一方の手で小剣(細い方の端)をゆっくり引き抜いて結び目を緩める方法です 。こうすることで生地への負担を最小限に抑えられます。特に最近多い薄手のタイやニットタイは雑に扱うと生地が伸びてしまうため、より慎重に行いましょう 。

ポイント:ほどいたら結び目付近に残ったシワを両手で優しく引っ張り、縦・横・斜めに軽く伸ばして整えておくとシワを定着させずに済みます 。

 

(2) 汗と湿気を飛ばす陰干し 

ネクタイを外したら、すぐにクローゼットへ仕舞わず風通しの良い場所で半日~1日程度ハンガーにかけて陰干ししましょう 。一日使用したネクタイには目に見えなくても首周りを中心に汗や湿気が染み込んでいます 。そのまま収納すると湿気でカビの原因になったり、生地にシミができたりする恐れがあります。ハンガーにかけて陰干しすることで、ネクタイにこもった湿気を飛ばしリフレッシュさせる効果があります 。また、吊るしておけばネクタイ自体の重みで結び目付近のシワが少しずつ伸びていくため、一石二鳥です 。直射日光は色あせの原因になるので避け、日の当たらない場所で乾かしましょう。

なお、ハンガーにかける際は形を整え、大剣と小剣がねじれず真っ直ぐ垂れ下がるようにすると良いです。ニットタイ(編み込みのネクタイ)やウールタイなど伸縮性のある素材の場合は吊るすと生地が伸びてしまうため避け、代わりに水平な場所に真っ直ぐ置いて乾かすか、ごく軽く巻いて置くようにします 。

 

(3) ホコリ落とし(ブラッシング)

可能であれば、ネクタイを陰干ししている間にブラッシングも行いましょう。スーツ用の洋服ブラシなど柔らかい毛(馬毛や豚毛)のブラシを使い、結び目から大剣方向へ、生地を傷めない程度のやさしい力で撫でるようにブラシをかけます 。こうすることで表面についたホコリやチリを落とし、軽い汚れも払うことができます 。特にネクタイの先端(大剣)は食事中にテーブル等に触れて埃が付きやすい部分なので念入りに。ブラッシングは毎回必須ではありませんが、ホコリを落としておくだけでもカビの発生防止や生地痛みの軽減につながります。もし毛羽立ち(表面の繊維が毛羽状に立って白っぽく見える状態)が気になる場合は、小さなハサミで生地表面に沿ってそっとカットするか、柔らかめの歯ブラシで優しくブラッシングすると目立たなくできます 。

 

(4) 休ませる(ローテーション) 

ネクタイを長持ちさせるには連続使用を避けることも大切です。お気に入りだからといって同じネクタイを毎日締めていると、シワが定着したり生地が摩耗して寿命が縮まります。理想的には一度着用したネクタイは2~3日ほど間隔をあけて休ませ、その間に元のハリと形状が戻るのを待つようにしましょう 。複数本をローテーションすることで一つ一つの負担が減り、結果的にどのネクタイも長く使えます。また、「月~金はこの5本を順番に使う」「季節ごとに使うネクタイを入れ替える」など、自分なりのルールで回すと管理もしやすくなります 。ネクタイ職人のアドバイスによれば、一度使ったネクタイは必ず間隔をあけて休ませるのがおすすめとのことです 。大事なネクタイほど休養日を作ってあげましょう。

 

以上が日常的なお手入れの基本です。これらを習慣づけるだけで、ネクタイの状態は格段に良くなります。わずかな手間で見た目の印象も寿命も変わってきますので、ぜひ実践してみてください。

 

3. 保管方法(巻き保管の理由、吊るし保管の注意点、理想的な環境)

ネクタイの保管方法には大きく分けて「丸めて保管」「吊るして保管」「平置き(たたんで保管)」の三通りがあります。それぞれメリット・デメリットがあり、ネクタイの本数や収納スペース、素材に応じて使い分けると良いでしょう 。ここでは各保管方法のポイントと、保管時の注意点(環境など)について解説します。

 

(1) 丸めて保管する方法

ネクタイをくるくる丸めて収納する方法です。やり方は簡単で、小剣(細い方の端)側からクルクルと巻いていくだけです (※長さがある場合は一度半分に折りたたんでから巻いてもOKです )。このとき強くきつく巻きすぎないことが重要です。巻きがきつすぎると、生地にシワが入ったり大剣の先端が型崩れする恐れがあるため、ふんわりと緩めに丸めてください 。巻き終わったらネクタイ専用の収納ボックスや引き出しに並べて保管します。色や柄ごとに並べるとお店の陳列のようで選びやすく、見た目にも楽しくなります 。

丸めて保管されたネクタイの例(引き出し内で緩く巻かれたネクタイ)

• メリット: ひと目でどのネクタイがあるか分かり、コンパクトに収納できることです 。引き出しを開ければ全てのネクタイを一覧できるため、忙しい朝でもコーディネートに合わせた一本をすぐ見つけられます 。また、専用ボックスを使えばホコリ避けにもなります。
• デメリット: 巻き方によってはシワや折り目が付いてしまう可能性があることです 。特に厚手のネクタイやセッテピエゲ(7つ折り)タイなど、生地が重なるタイプの高級タイは丸めると負担が大きい場合があるため、あまりおすすめできません 。丸める際は先端が変に折れ曲がらないよう注意しましょう 。

 

(2) 吊るして保管する方法

ネクタイハンガーや専用ラックにネクタイを一本ずつ吊るして保管する方法です 。クローゼットに掛けるバーに滑り止め付きのネクタイハンガーを設置し、そこに複数本を掛ければ省スペースで収納できます 。ネクタイ自身の重みでシワが伸びる効果もあるため、収納とシワ伸ばしを同時に行える利点もあります 。

• メリット: クローゼットの隙間に掛けておけるので場所を取らず省スペースで済みます 。また、使いたいネクタイをサッと取り出せて便利です。吊るすことである程度シワも伸ばせる点もメリットでしょう 。
• デメリット: 生地が伸びてしまう可能性があることです 。特にニットタイやウールタイなどは自重で長さ方向に伸びがちなので、これらは吊るさず別の方法で保管した方が無難です 。また、長さのあるネクタイを吊るすときは先端が床についたり、クローゼットの仕切り板に折れ曲がって跡がつかないよう注意が必要です 。掛けっぱなしにしてホコリを被らないよう、定期的にブラッシングするとなお良いでしょう。

 

(3) 平置き(畳んで)保管する方法

最もおすすめの保管方法がこちらです 。ネクタイを軽く折り畳んでから平らな場所に置いて保管します。具体的には、大剣と小剣を揃えるように2つ折り、もしくは4つ折りにふんわり畳みます 。4つ折りにする場合は折り目がつかない程度にゆるく畳むのがコツです 。その状態で引き出しやケースに水平に置いて収納します 。

 

• メリット: 生地に余計なシワやテンション(張力)がかからず、型崩れや伸びを防げる点です 。平置きなら吊るすよりも生地への負担が少なく、長期保管にも向いています 。また、巻いた場合と違い生地表面に丸めジワが付きにくいのも利点です 。
• デメリット: 畳み方によっては折りジワがついてしまう可能性があることです 。特に長期間同じ折り目で置きっぱなしにすると折り癖がつく場合がありますので、時々畳み直すと良いでしょう。また収納スペースとして引き出しの面積をある程度要する点はデメリットですが、ネクタイを重ねすぎないように並べればシワを防げます。

理想的な保管環境 – いずの方法で保管する場合でも共通して大事なのは、「シワや折り目が付いたまましまわないこと」と「湿気・ホコリを避けること」です 。前述のように一日使ったネクタイは必ず陰干しして汗や湿気を飛ばしてから収納しましょう 。湿気を含んだままだとカビや臭い、変色の原因になります。また、収納場所は直射日光の当たらない風通しの良い場所が理想です。長期保管する際は防虫剤を近くに置いて虫食いを防ぐことも有効ですが、ネクタイに直接触れないよう注意してください。防虫スプレーを使用する場合はネクタイから30cm以上離して軽く噴霧し、生地にシミが残らないようにしましょう(かけ過ぎにも注意)。保管中もときどき様子を見て、生地が傷んでいないか、変色していないかチェックすると安心です。

 

4. シワやクセの対処法(浴室スチーム、スチームアイロンの使い方、NG例)

ネクタイにつきものの**「シワ」や折り癖**。きれいに結んでいても、どうしても結び目周辺には「結びジワ」が残りますし、長く使っていると全体にクセがついてヨレっとしてしまうことがあります。ここではネクタイにシワができてしまった場合の対処法と、やってはいけないNGな対処について説明します。

日常ケアで予防が第一 – まず大前提として、前述の日常ケア(陰干しと休ませること)をきちんと行えば軽いシワは自然に取れる場合が多いです 。ネクタイを外した後に2~3日吊るしておけば、ネクタイの重みで大抵のシワは伸びてしまいます 。結びジワも、指で軽く伸ばしておくことでかなり軽減できます 。したがって、「気付いたらシワだらけ」という状態を防ぐには、日頃からのケアが何より大切です。

それでも取れないシワには… – 長時間きつく結んでいた場合など、どうしても残ってしまう頑固なシワもあります。その場合は以下の方法で対処してみましょう。

• 浴室の蒸気を利用する: アイロンを使わず手軽にできる方法として、入浴後の浴室にネクタイを吊るしておくという手があります 。お風呂上がりで湯気が充満した浴室にネクタイをしばらく吊るしておくと、生地が湿気を帯びて繊維がほぐれ、シワが伸びやすくなります 。いわばスチームアイロンをかけたような効果が得られるわけです 。このとき水滴が直接ネクタイにかからないよう、お風呂の湯は抜いて湿度だけ利用するようにしましょう。浴室の広さにもよりますが、30分~1時間程度吊るしておけば大抵のシワはかなり目立たなくなります。吊るす際はハンガーに掛けるか物干し竿にかけるなどし、生地がねじれないよう注意してください。※入浴中に一緒に吊るすと水滴が飛ぶ恐れがあるため、入浴後の湿気を利用するのがポイントです。

• スチームアイロンを使う: アイロンを当てるのは怖い…という方もいるかもしれませんが、正しい方法で行えばシワ取りに有効です。ただし決して直接アイロンを押し付けないでください 。ネクタイ生地に直接アイロンを当てるとテカリ(生地の光沢ダメージ)の原因になりますし、中の芯地の形が浮き出てしまうこともあります 。そこで、以下の手順で行いましょう。

1. アイロンを中温程度(シルク対応温度)にセットし、スチーム(蒸気)機能をオンにします。アイロン台の上に当て布(綿のハンカチやガーゼ布などでOK)を敷き、その上にネクタイを裏側を上にして置きます 。
2. アイロンをネクタイに直接押し付けず、当て布越しに浮かせるように近づけてスチームだけを当てます 。アイロン本体の重さを乗せないイメージで、蒸気をシュッとかける感じです。このときアイロンをネクタイ上ですべらせたりしないよう注意します。
3. 十分に蒸気を当てたらアイロンと当て布をどけ、ネクタイが熱いうちに手で優しく形を整えながらシワを伸ばします 。両手で軽く引っ張るようにしてシワを伸ばし、冷めれば完了です。
こうすることで、スチームの湿気と熱で繊維が伸び、シワを取ることができます。ポイントはアイロンの重みでプレスしないことと当て布を必ずすることです 。当て布がないと水滴が直接シルクに付いた場合にシミになる恐れもありますし、アイロンの接地で生地を傷める可能性があります。スチーム機能付きの衣類スチーマーがある場合は、それをネクタイに軽くかけるのも良いでしょう。その際も近づけすぎて水滴を飛ばさないよう15~20cm離して当てるのがコツです。

 

やってはいけないNG例

シワ取りで避けるべき行為も知っておきましょう。以下は代表的なNG例です。
• アイロンを直に押し当てる: 上述の通り、ネクタイに直接アイロンを当ててゴシゴシかけるのは厳禁です 。テカリや芯地の歪みだけでなく、絹素材の場合は部分的に色が変わってしまうこともあります。
• 高温で一気にプレス: シワを早く伸ばそうとして高温設定でギュッと押し付けるのもNG。繊細なシルクは熱に弱く、生地を焼いてしまったり縮ませたりする恐れがあります 。必ず低〜中温でゆっくりと。
• 霧吹きで水をかける: アイロン前に水をスプレーするのは綿シャツなどでは有効ですが、シルクネクタイには避けましょう。水滴の跡がシミになる危険がありますし、水に弱い繊維の場合繊維が縮む原因にもなります 。
• ドライヤーの熱風を当てる: アイロン代わりにドライヤーで熱をかける方法も勧められません。温度管理が難しく、生地を焦がしたりテカらせたりする可能性があります。また乾燥した熱風ではシルクのシワはあまり伸びません。

以上のように、ネクタイのシワ取りは**「蒸気の力を使って優しく」が基本**です。どうしても自分で取れない深いシワがある場合は、無理をせずクリーニング店やネクタイ専門店に相談すると安心でしょう(アイロンプレスの専門サービスがあります)。

 

5. 汚れたときの応急処置と正しいクリーニング対応(家庭でのNG処理例、クリーニングのタイミング)

食事中のハプニングや汗じみなどで、ネクタイに汚れが付いてしまった場合の対処法です。ネクタイは洗濯機で丸洗いできないため、汚れへの対処はスピード勝負となります。また、自己流の処置でかえってシミを広げてしまうこともあるので注意が必要です。ここでは汚れ別の応急処置と、クリーニングに出す判断について説明します。

 

汚れが付いたらすぐ応急処置 – ネクタイにシミを見つけたら、まず素早く余分な汚れを取り除くことが大切です 。放置すると時間が経つほど落ちにくくなり、生地に定着してしまいます 。基本の対処法は「擦らず、移し取る」ことです 。

 

【具体的な事例】

• 水溶性の汚れ(例:コーヒー、お茶、ジュース等): 清潔な布を水で湿らせ、汚れ部分をトントンと優しく叩くようにして、布側に汚れを移します 。擦ってしまうと汚れが繊維内部に入り込むので厳禁です 。濡らす水はできれば常温の水道水にし、お湯はタンパク質汚れを固めてしまう可能性があるので避けます。トントンと叩いて布に移し取り、布をずらしながら汚れが付かなくなるまで繰り返します 。最後に乾いた布で周囲を軽く叩き、輪ジミにならないよう汚れの輪郭をぼかしておきましょう。
• 油性の汚れ(例:醤油、ドレッシング、カレー、口紅等): ベンジン(石油系溶剤)を少量含ませた白い布を用意し、シミ部分をポンポンと優しく叩きます 。油を溶かし出すイメージで、強く擦らず叩き込むのがポイントです 。布に汚れが移ったら綺麗な部分にずらし、汚れが移らなくなるまで繰り返します 。最後にベンジンを含ませた別の布でシミの周囲を軽く叩き、境目をぼかして自然乾燥させます 。※ベンジンはドラッグストア等で入手できますが、匂いが強いので換気の良い所で使用してください。無い場合はアルコールでも代用できます。
• 口の中のものではない汚れ(泥汚れ等): 泥やホコリ汚れは完全に乾いてから、衣類用ブラシや爪楊枝の背などで優しく削ぎ落とします。その後、残った部分は水で湿らせた布で軽く叩いて落とします。

以上はあくまで応急処置です。これで汚れが完全に落ちなくても、決してゴシゴシこすったり洗剤を直接かけたりしないでください 。生地を擦ると繊維が毛羽立って白っぽくなり、元に戻せなくなります 。また、濡れタオル(おしぼり)で拭うのも避けましょう。おしぼりには漂白剤成分が含まれる場合があり、色落ちの原因になります 。応急処置をしたら、その後なるべく早めにプロに相談するのが賢明です 。

 

【クリーニングに出す判断とタイミング】

上記の応急処置をしたら、可能であれば早めにクリーニング店に持って行きましょう 。シルクやウール素材が多いネクタイは水洗いが難しく、自己流では完全に汚れを落とすのが難しいためです 。プロのクリーニングであれば、素材に合わせた適切な処置でシミを綺麗にしてくれる可能性が高いです。特に油性のシミや古いシミはプロのシミ抜きに任せた方が安全です。

では、どのくらいの頻度でクリーニングに出すべきでしょうか? 実はネクタイは頻繁にクリーニングすべきものではありません。必要以上のクリーニングは生地を傷める原因にもなるからです 。ドライクリーニングの溶剤やプレス工程は、回数を重ねるとシルクの風合いを損ねたり縫製を弱らせたりする恐れがあります。そのため**「明らかに汚れが付いたとき」「シーズン終わりで長期間保管する前」**といったタイミングで限定的に出すのがおすすめです 。例えば夏場に汗をたくさん吸ったネクタイは秋に入る前に、冬に頻繁に締めたネクタイは春先に一度クリーニング、という具合です 。季節ごとにネクタイを衣替えし、オフシーズンに入る前にリフレッシュしておくと良いでしょう 。

クリーニングに出す際は、ネクタイがシルク素材であること、裏地の有無や特殊な仕様がある場合(例:セッテピエゲ構造など)は店員さんに伝えておくと安心です。信頼できるクリーニング店であればネクタイ専用の仕上げをしてくれるところもあります。また、クリーニングから戻ってきたネクタイはビニールの包装を外してから保管してください 。クリーニング直後は若干溶剤の臭いが残っていたり湿気がこもっていたりします。そのまま袋に入れっぱなしにするとカビの原因にもなるため、必ず袋から出して風通しを良くしてからしまいましょう 。

 

【家庭で絶対にやってはいけないNG例】

最後に、汚れたネクタイに対して家庭で避けるべき処置をまとめます。
• 洗濯機で洗う: 繰り返しになりますが、シルクなどのネクタイを洗濯機で洗うのは厳禁です 。型崩れや色落ちだけでなく、縫製糸がほつれてバラバラになることすらあります。洗い桶での手洗いも推奨されません(洗剤や水で風合いが変わるため)。
• 漂白剤の使用: シミを落とそうと塩素系漂白剤等を使うのは避けましょう。色柄が抜けて取り返しがつかなくなりますし、生地自体も脆くなります。
• アイロンで焦がす: 汚れとは別件ですが、シミがある部分に高温アイロンを当てるとその部分だけ色が変わったり、汚れが定着したりします。汚れ取り目的でアイロンを押し当てるのはNGです。
• 放置する: 「そのうちクリーニングに出そう」と放置して長時間経つと、汚れが酸化して落ちにくくなるだけでなく、生地が劣化することもあります。できるだけ早めに対処しましょう。

 

6. よくある誤解・やってはいけないこと(具体的なNG例とその理由)

最後に、ネクタイの扱いに関するよくある誤解やNG行為をいくつか取り上げます。間違ったケアは大切なネクタイを傷めてしまう原因になりますので、「これはやってはいけない!」というポイントを具体例とともに押さえておきましょう。

• NG例1:結んだままの状態で保管する

– 面倒だからとネクタイを結んだままゆるめて保管するのは大間違いです。結び目を解かずに放置すると、その部分のシワが完全に癖づいてしまい、生地も伸びきって戻らなくなります。特にシルクは形が記憶されやすいため、次回締めたときに結び目が汚く崩れたりシワシワになったりします。「ほどくと痛む」という誤解もあるようです

 

• NG例2:ネクタイから出ている糸を切ってしまう

ネクタイの裏側を見ると、輪っか状の糸の端がピョンと出ていることがあります。この糸は「スリップステッチ(たるみ糸)」といって、ネクタイを縫い合わせている一本糸の余り部分です 。決してハサミで切ってはいけません ! たるみ糸は結び解きの伸縮を助ける命綱で、これを切ると縫製が解けてネクタイがバラバラになってしまう恐れがあります 。多少出ていても正常な状態ですので、引っ張ったり切ったりせず、気になる場合はそっと裏側に押し込んで目立たなくしてください 。

• NG例3:頻繁にクリーニングに出す

常に清潔にしたいからと、まだ汚れていないネクタイまで頻繁にクリーニングに出すのは逆効果です 。前述の通り、ドライクリーニングは生地に負担をかけます。やりすぎると生地が薄くなったり縫い糸が弱ったりして寿命を縮めてしまいます。ネクタイはスーツやシャツとは違い直接肌に触れるものではないため、基本的にクリーニングは汚れが気になるときだけで十分です 。日常ケアでリフレッシュできていれば問題ありません。どうしても気になる潔癖な方は、汚れ防止策として撥水スプレー加工を検討しても良いでしょう (クリーニング店で撥水加工サービスを依頼できます)。

• NG例4ハンガーにかけっぱなしで長期保管

吊るして保管は手軽ですが、長期間何ヶ月もクローゼットに吊るしっぱなしは避けましょう。ホコリが積もったり、重力でネクタイが伸びきってしまう可能性があります 。特にニットタイは前述のように吊るすと伸びるので厳禁です 。長期間使わないネクタイは吊るさず、軽く畳んで平置き保管する方が安心です 。また、防虫剤の入れすぎにも注意しましょう(シミになる場合があります)。

• NG例5:家庭でゴシゴシ洗う・擦る

汚れの項でも触れましたが、「家庭で洗ってしまえ!」とネットに入れて洗濯機で回したり、石鹸を付けて擦り洗いしたりするのは御法度です 。大抵の場合、シルクタイは型崩れし、光沢も失われ、最悪の場合使えない状態になります 。どうしても自宅で洗いたい場合は、洗濯表示で「手洗い可」「ウォッシャブル」の表示があるポリエステルタイのみ、自己責任で優しく手洗いしましょう。それ以外は基本クリーニング店に任せるべきです 。また、シミを落とそうとして生地を揉んだりこすったりするのも厳禁で、シルクが毛羽立って見た目が悪くなります 。

• NG例6:ネクタイを引っ張って引き締める/外す

着用時に緩めに結んでおいて、最後に両端を引っ張ってギュッと締める、あるいは外すときに小剣側を一気に引き抜く、といった荒っぽい扱いは避けましょう 。縫製糸に負荷がかかり、糸切れや生地の歪みの原因になります。結び目は丁寧に作り、外すときもゆっくりほどくのが鉄則です 。

 

以上、ありがちな誤解やNG行為を挙げました。心当たりのある方は、今日からでもぜひ見直してみてください。正しい扱いをすれば、お気に入りのネクタイを傷めることなく長く付き合えます。

 

7. まとめ:メンテナンスが印象や寿命に与える影響

ネクタイの正しいメンテナンス方法について、構造の基礎知識から日常ケア、保管・シワ取り・汚れ対策、NG行為まで幅広く解説してきました。最後に要点を振り返りましょう。

印象への効果: ネクタイを丁寧にケアすることは、身だしなみを整えることに直結します。シワひとつなく清潔なネクタイは、着用者に対する好印象を高め、「きちんとした人だ」という信頼感を相手に与えます 。逆に汚れやヨレの目立つネクタイはそれだけで残念な印象を与えてしまいかねません 。ビジネスにおいては細部の清潔感が評価や信頼につながることもあります。ネクタイという小物一つですが、日頃のお手入れがあなたの印象アップにつながるのです。

 

寿命への効果: 正しいメンテナンスを習慣にすれば、ネクタイは驚くほど長持ちします。実際、品質の良いネクタイであれば**「扱いさえ丁寧なら一生使える」とも言われます 。

 

毎回しっかり陰干しして休ませ、シワや汚れは早めに対処していれば、生地や縫製へのダメージが最小限に抑えられます。適切にローテーションしていれば色あせも少なく、何年も愛用できるでしょう。反対に、ノーメンテナンスで使い続けると結び目の部分から生地が傷んだり、汚れが定着してしまったりして寿命を縮めてしまいます。お気に入りのネクタイを長く使うためにも、日々のひと手間を惜しまないようにしましょう。

 

【経済的メリット】
ネクタイを長持ちさせれば、新しいネクタイを頻繁に買い替える必要も減ります。上質なネクタイほど値段も高いものですから、きちんとケアして長く使うことは経済的にも理にかなっています。また、思い出のネクタイ(プレゼントでもらったもの等)を良い状態で保てれば、それだけ長くその思い出を身につけていられるというメリットもあります。

 

まとめの一言: ネクタイのメンテナンスは決して難しいものではありません。毎日数分間、正しい方法でケアするだけで、見た目の印象もネクタイ自体の寿命も大きく向上します。ぜひ今日から実践してみてください。丁寧に手入れされたネクタイは、きっとあなたのスーツスタイルをより一層引き立て、長きにわたって頼れる相棒となってくれることでしょう。心を込めてメンテナンスしたお気に入りの一本で、胸元から自信と品格を演出してください。

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ブランド SHAKUNONE'(シャクノネ)
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マネージャー 笏本達宏(シャクモトタツヒロ)
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