個人、小さな町工場のブランディング日記⑤~軌道修正~
ブランドを立ち上げて発信を続けていくと、浮き沈みは必ずあります。
自分が信じていた事を貫いていても、コンセプトに忠実に、また有益な情報やプロの意見を取り入れていても上手くいかないこと。
思わぬ方向に流れてしまいそうなこと。
立ち止まってしまうこと。
焦ったり不安になったりすると思います。
大丈夫。
それは恥ずかしいことでもないし、劣っているわけでもない。
特別な事でもないです。
大なり小なり、必ず壁にぶち当たります。
逆にそれは壁のあるステージに来たということです。
もしこの壁に当たることなくスイスイと行けている方がいるなら、その方が怖いと考えます。
ブレてはいけない原点や、想い、コンセプトなど様々あると思います。
ですが、あくまでこれを読んでいる方は大企業の一大プロジェクトを行っているわけではないということを理解しておいてほしいと思うんです。
ちっぽけなブランディングだとか、大企業の一大プロジェクトが素晴らしいとか批判や悲観をしているわけではないです。
人生をかけた皆さんそれぞれの一大プロジェクトであるという点においては間違いのない事実です。
ですが、そもそも船の大きさが違うと考えてみてください。
大企業が大型のタンカーなら、我々は小舟です。
一度進みだしたら方向転換をするにもストップするにも大きな力や時間を要する大型タンカーに比べて、
小舟なら小回りも効くし、止まる力も少なくて済みます。
進む力は大型船に比べると小さいですが、これを理解しているコトとしていないことは大きな違いがあります。
まず、「誰もが知っている」という前提ではありません。
個人や町工場からのブランディング意識としては、
「誰も自分たちのことを知らない」という前提で発信し取り組んでいくことが必要です。
テレビCMや大きな広告を打って、
「誰もが知っている」という環境を作ってしまうと簡単に方向転換は出来ません。守らないといけないイメージだったり、取り巻く環境だったり様々な要因が絡んできます。
一方、小舟に乗って進んでいる我々は、
小回りを利かせて軌道修正をすることができます。
迷った時や壁にぶち当たった時に、考えて実行して、
その中で新しい道が見えたり、突破口が見つかったり、
出会いや気付きを得ることができるんです。
最初に思ったことを貫いていく「美学」というモノを否定もしませんし、
それで成功した人はカッコイイと思います。
その人たちも想いを貫いていく中での失敗や反省を経験しながら、大なり小なりの軌道修正をおこなっているはずです。
軌道修正は恥ずかしいコトでもカッコ悪いコトでもありません。
自分の中身をアップデートしていくような気持ちで、小回りの利いたブランディングを継続していくことが何より大切なことだろうと思います。
壁にぶち当たったというコトは、
そのステージに辿り着いたということです。
やってないとぶつからない壁です。
我々は自分を過大評価してこの壁を壊せる力があると勘違いしてはいけません。
「壁を壊す」というのは一つの選択肢にすぎません。
「迂回するルート」だってあるかもしれないし、
「飛び越えてしまう」のも壁の向こう側に行く方法としてあるかもしれません。
もしかしたら「壁を押す」ことや「壁と共存」することの中に答えが見つかるかもしれません。
私もずっと壁///壁///壁の連続です。
努力や根性だけでなんとかなるようなものではないからこそ、
常に自分をアップデートしながら未来を見て挑戦していきましょう。