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2018年8月30日
 

クールビズが提唱されてから約13年。

初期はなかなか定着しなかった感がありましたが、近年はすっかり定着していますね。

それに加え猛暑が続く環境の変化で、ネクタイに限らずスーツ関係の売れ行きも不調なようです。

自社ブランド展開に力を入れている弊社ですが、大手メーカーやブランドの商品の生産を請け負う受託生産も多く請け負っています。

 

創業からは半世紀を超えましたが、元々婦人・子供服を製造していた所からネクタイ工場としてスタートを切った為、日本国内では後発といいますか、新しいネクタイ工場です。

ノウハウもない状態から、研究を重ね、今までの知識やノウハウと職人の腕を頼りにネクタイ作りに挑戦した結果、独自の生産方法が専業ネクタイ工場にはない風合いや美しい仕上がりのネクタイを提供することに繋がり、それが「こんなにキレイなネクタイを見たことが無い」という高評価を受けた所から今日に至ります。

 

数年ほど前までは、春夏商品の生産が終わっていないのにもかかわらず、秋冬商品の生産スタートをしなければならないほどの受注量があり、閑散期とは無縁の仕事をしていました。

 

しかし、国内生産の現状は数年で大きく変わりました。

 

弊社がネクタイ縫製工場としてスタートを切ったころには、

第一工場、第二工場と複数の工場を運営し多くの職人さんを抱えて仕事をしていた他社工場さんも、第二工場閉鎖、翌年には廃業。
工場移転を行って事業拡大を計画していたその年に国内ネクタイの生産が一気に縮小し苦戦。
また、受注量やコスト面での苦しみから老舗が廃業。

などということを聞くことが増えました。
「社会の動きや環境の変化に対応できなかったネクタイ業界」

 

と言ってしまえば、それまでのことなのかもしれません。
事業を転換してでも生き残っていける仕事を見つけていけなかったコトは確かにあることだと思いますが、同じ工場として思うことは、

「そんなに簡単に色んなことはできない」ということです。

 

単に「縫製」と言ってしまえば、シャツやスカートやジーンズや学生服や・・・色々ありますし、他アイテムなどへの事業転換を容易に口にする方もいらっしゃいますし、それを成し遂げた方もいらっしゃるのかもしれません。

ですが、私から見ると「他アイテムは全く畑が違う」のです。

 

ノウハウも違えば、設備も技術も違う。

ましてや、低コスト生産に対応して、日々を過ごさざるを得ない状況だった国内の工場が簡単に手が出せる環境でもないのです。

 

それは、婦人・子供服生産から、全く畑の違うネクタイ工場へ挑戦した我々だからこそわかることなのかもしれません。

特に、ネクタイ工場の設備や技術は他に変えの効きづらい設備の為、そういった事業転換は難しいのではないかと思っています。

 

私の体感として、特定のネクタイ屋さんは好調だが・・・といったような感じもなく、全体的にシンドイ状況であると感じています。

好意にお付き合い頂いている同業の工場さん(規模は弊社の倍)は、今年の9月は全く仕事が無くてガラガラで何もすることが無いと連絡をしてきました。
規模は大きいですが、委託生産を専門にしている工場さんですから、丸一か月仕事がないという状況は死活問題です。

とはいえ、仕事が入り始めると、とんでもない量の発注がきてさばききれなくなるくらいだというのですから、それもどうしたものかと思うわけですが。

おそらく上記の工場さんが受注できない状況に陥っているのであれば、全国に点在する工場でも状況は同じでしょう。

この1か月の生産閑散期は、春ごろにもう一度来ます。
年間2度の閑散期を迎える状況が続くのではないかと思うわけです。

 

閑散期といっても、受注量が少ないな・・という状況ではなく、一切何もないような状況です。

これが続くのであれば、受託生産がメインの工場からどんどん弱っていくでしょう。

 

おそらく、数年でネクタイに関係する企業は今の半分まで減るのではないかと思っています。

 

我々も受託生産を多く受けている面から、他の月に比べると受注している量は少ない時期になります。
MAXの稼働状況ではないことは事実ですが、
10月以降にたくさんいただいている販売のイベントや機会にお届けする商品をお仕立てしたり、
今までできなかった新しい商品を企画生産する時期にしながら、次の生産の準備を進めていきたいと思っています。

 

・クールビズでのネクタイ不振

・スーツ離れによる業界の低迷

・原価などのコスト増による不安

その他多くの要因はあるとおもいますが、厳しい状況の中で、淘汰されていく工場、メーカー、問屋は増えていくと思います。

 

もしかしたら、国内でネクタイを作ることができる人が絶滅危惧種になる未来も近いかもしれません・・・というより、もうすでにそういった状況です。

どういった取り組みをしていくのか、どう生産していくのかを考えないといけない状態なんじゃないでしょうか。

 

忙しいときは鞭打って、そうでないときは知らんぷりを決めるなら、
生産流通の例えでよく言う、「川上」に属する、又は川上に近い企業を潰していく状況になっていきます。

 

 

そんな中で作り手の弱いところは、売ることができない。伝えることができない。流通させることができない。
私自身の不得意は他の工場も不得意だと思います。(全部ではないでしょうが)

その後口から出てくる言葉は、

国産だから良いものだ。海外のものはダメだ。

原価が高いモノが良い。原価が安いモノはダメ。

良いものだったら売れる!!

てなことです。

本当にそうなら、世の中に存在する商品の大半は大ヒット大バブル時代の到来です。

 

 

決してそうではないでしょう。

それそれの戦い方がある中で、作り手の工場や職人も考えなければならないのではないでしょうか?
私の行動のすべてが正しいとは思っていませんが、挑戦をしないより挑戦をしていく方が今後の力になるし、可能性は拓けると思っています。

悲観的に見える内容かもしれませんが、私自身「ネクタイはカッコイイ」と思っていますし、
無けりゃないで良かったのかもしれませんが、「クールビズ反対」と言っているわけでもありません。

ネクタイをしなくても許される時代になったからこそ見せることができる新しい価値観に挑戦していきながら、細い糸を手繰り寄せるような挑戦でもして未来を作っていこうと思っています。

 

取り組みをしていきたい!
こいつ面白そうだから話してみたい!

そんなことがあれば、私はノリノリでお話しします。
昔はこうだったから良かったとか、昔はこうだったからこうした方が良いというような昔話はしません。(成り立ちとかは好きなので聞きます)(今、活きる昔話なら歓迎)

 

下向いていないで些細な突破口でも、小さな風穴でも、突っ込んでいく力を持っていた方が楽しいですよ絶対。

大きい船に乗っているから安全だって言ってたらタイタニックみたいに沈みますぜ。

長い分を書くといつもまとまりが無くなってしまします。
これが、伝える力の不足だろうと思いますね。。。反省。。。